「比較」の難しい点は2点あります。1つ目は「形容詞・副詞が主役」、2つ目は「省略が常に生じる」という点です。この2点は意外と難しいことなのです。ある程度英語ができる人でも「比較」が含まれる少し複雑な英文を訳してみると、案外できないことが多いのです。
まずは以下の「比べるものを見つける」から確認していってください。
<比べるものを見つける>
「比較」の文は、当然何かを「比べている」文なので、比べられるもの<A>と比べる相手<B>が必ず存在します。当たり前の話ですが、結構軽視している人が多いですので、いま一度、この大原則を確認してください。
そして、
・「原級」と「比較級」は<A>と<B>が1対1のタイマン勝負をしている
・「最上級」は同じ性質を持った3つ以上の中で比べ合いをしている
ことを意識するようにしてください。
ここで重要なことは「原級」と「比較級」が1対1のタイマン勝負をするということです。比較の問題の半分以上は比較級に関する問題ですから、比較級を理解することが大事なのです。
ではこの比べられるもの<A>と比べる相手<B>の特徴は何でしょうか?
それは、<A>と<B>は「性質が同じ」ということです。例文で確認しましょう。
① Tom is happier than Mary.
(Tom と Mary が同じ性質)
② Tom is not as suited for the job as I am.
(Tom is と I am が同じ性質)
③ It is better to try and fail than not to try at all.
(to try and fail と not to try at all が同じ性質)
決して「主語」だけが比べられるもの(他と比較されるもの)とは限りません。このことを誤解している人が結構多いです。例えば「目的語」を比較している場合もあるのです。
<A>と<B>を正確に英文中から見つけるためには、まず<B>を発見することからスタートします。比べる相手<B>は2つ目の as や、than の直後にあります。
そして見つけた<B>と同じ性質の語(句)を英文から探せばよいのです。
つまり等位接続詞の並列関係の捉え方と全く同じ考え方なのです。等位接続詞を適当にやっている人は、「比較」もできるようになりません。文の構造上、何と何を比較しているのかを必ず意識するようにしてください。