よく「偏差値至上主義」みたいな言い方で、「偏差値」が悪者扱いされることがあります。たしかに筆者も弊害はあるとは思いますが、現在の入試制度が「他人との比較」で決まる以上は、偏差値を無視することはできません。きちんと偏差値の理屈を理解した上で対処してください。
まず、「他人との比較」のことですが、これは簡単な話です。「点数のランキング」で合否が決定するということです。今後は入試制度改革で変わっていくでしょうが、あくまでも現在の制度であれば、ライバルよりも多く点数を取った人が勝ちであって、例えば「個性が際立っている」だけでは基本的に難関大学には合格できない仕組みになっています。
もちろん理想は、「幅広い知識や教養、考える力などを身に付けた上で、大学にも合格する」ことで、社会に出てからもこうしたことが必要です。しかし、ここまでの余力がない人は「志望校に合格する」ための最短コースを採る必要があるわけで、1点でもライバルより多く点数を取ることを考えないといけません。だって、そういう入試制度なんですから。
さて、そうした時、自分の現状がわかる指標が「偏差値」です。偏差値とはテストごとの特性(難易度、受験者数など)によらず、全体の中での自分の位置を示す数値で、統計学的には「上位から何%か」を表します(偏差値の値そのものが上位からの%を表すわけではありません。実際には変換が必要です)
テストの素点(87点など)は、各テストごとに意味が変わります。平均点が40点のテストの87点は上出来ですが、平均点が95点のテストの87点はいただけません。そうした、意味が毎回変わってしまう素点ではなく、常に全体の中での位置を示してくれる指標が偏差値なのです。
志望校突破に必要な偏差値と照らし合わせて、
・差があるのであれば埋める方法(勉強の方法を変える)
・すでに越えているなら偏差値をキープする方法(継続して頑張る)
を考えてみてください。