〔回答〕 まず、「必要条件」と「十分条件」に関してですが、受験レベルとしては「範囲の大小」とか「包含関係」という捉え方をしてください。 例えば、(ある食べ物が)「うどんであること」と「麺類であること」は「うどん⇒麺類」で、「うどん」が十分条件・「麺類」が必要条件ですが、包含関係としては「うどん」は「麺類」の一部(つまり部分集合)という関係になっています。その上で、質問文の件ですが、 まず、「問題文でどの部分が必要条件の文、十分条件の文」なのか、について、 結論としては、 ・「●●のとき」の部分が必要条件で、 ・十分条件は「その問題の答え」のことです。 (質問文の「××」は実際には文章だと思いますが、(ふつう)それと「答え」は同値のはずですから、「××」(正確には「●●かつ××」)が十分条件というので合っています) 例えば、「a>0 のとき、a2-1>0 の解は?」という問題の場合、実際の解は「a>1」ですが、 この「a>1」というのが「a>0」の部分集合になっている、という話で、つまり「a>0」というのが答えに対する必要条件だった、というものです。 難しく考えずに、「その範囲だけで物事を考える」くらいに思えばいいです。 (それを理屈っぽく言えば、「必要条件」という言い方になるだけ) (補足) 参照HPを拝見しましたが、(1)のところで、これはこの場合、問題文には「~のとき」「~ならば」という表現も使われます。これを必要条件として求めれば(示せば)よいので、「𝑞のとき𝑝」を求める必要はありません。…
という意味で書かれているものだと思われます。 上記で言うところの、答えとして a>1 が求まっているのであれば、(そもそも a>0 という範疇で考えて得た答えなので)必然的に a>0 は満たしているはずで、それをわざわざ確認するまでもない、という意味合いで書かれていると思われます。 |
なお、「必要条件だけでよい」に関してですが、厳密な意味では「必要条件を求める」という問題はないと思います(探せば特殊なものがあるかもしれませんが)。 必要条件は「包含関係の大きい方」のことですので、例えば「~であるための必要条件は、『aが実数であること』」みたいな投げやりな答えでも正解となり、何でもありの状態になってしまいます。 「p⇒q」の証明とかの場合も、すでに与えられた q に対して、「P⊂Q」の関係になっていることを言うわけですので、必要条件そのものを求めているというわけではないです。 最後に、論証の件ですが、 (1) 求値問題 問題文の内容を該当する数式に落とし込むわけですが、「適用条件」を満たしているかどうかの確認さえ取れればいいです(論理的には、この過程がポイント)。 例えば、直角三角形ということを確認した上で、三平方の定理に当てはめる、というような話です。 数式に落とし込めば、そこからは単純に計算を進めてください。 (2) その他の通常の問題 数学の問題のほとんどでは、原則として、問題文の話を完全に言い換える形(同値)で進めてください。 より正確に言えば、「問題文の内容に該当するもの(その集合の要素)」と「言い換えた内容に該当するもの(その集合の要素)」が全く同じかどうか、というものです。 全く同じであれば、そのまま先に進んで構いません。 よくあるミスとしては、「両辺の2乗」です。 x=3 に対して x2=9 というのは、後者には x=-3 も含まれますので、両者は別物のはずです。ですので、答案上、これをやるとマズいです。 (どうしても両辺の2乗が必要なときは、x=-3 のケースについては後で除外する) なお、必要十分条件で進めていった結果、問題文で問われていることよりも細かいことが求まってしまうこともあります。 極端なケースとしては「a が有理数であることを示せ」と言われているのに、「a が整数」ということまで限定してしまえるケースで、このような場合は「有理数であることに違いはない」というような締め方で構いません。 ※ 事例として見落としているものがあるかもしれませんので、「こういう場合はどうか」というものがあれば、質問フォームよりご連絡ください |