生物基礎:体温調節の仕組み

<ポイント>
・恒温動物は体温を調節して、ほぼ一定に保っている
・「間脳の視床下部」に体温調節の中枢がある
・外界の温度変化によって、体温変化やその刺激を受け取ると、体温調節の仕組みがはたらく
(1)恒温動物
ほ乳類や鳥類は、外界の温度の変化を受けて「体温を調節する仕組み」を持っています。
このような動物を恒温動物といいます。

これに対し、体温調節の仕組みがない動物を変温動物といいます。
(変温動物は、外界の温度の変化により、体温も変わってしまう)

(2)体温の調節方法
「放熱(量)」:体内の熱を体外にだして、体温を下げる
「発熱(量)」:体内で熱を発生させて、体温を上げる

これらを調節することにより、体温を一定に保つようになっています。

(3)外界の温度が低いとき
外界の温度が低く、その影響で体温が下がったことを、「間脳の視床下部」が感知します。
すると、交感神経を通して、「立毛筋や皮膚の毛細血管を収縮」させることにより、「放熱量を抑制」しようとします。

また、「副腎髄質からのアドレナリン」や、「副腎皮質からの糖質コルチコイド」がはたらいて血糖値を上昇させます。あわせて、「甲状腺からのチロキシン」により血糖の代謝が促進されることにより、「発熱量が増える」ことになります。

寒いときに「ガタガタと震える」ことにも意味があり、細かく筋肉を動かすことにより「発熱量を増やして」いるのです。

(4)外界の温度が高いとき
外界の温度が高く、その影響で体温が上がったことを、「間脳の視床下部」が感知します。
すると、交感神経を通して、「汗腺のはたらきを活発にして汗をかき、その気化熱によって皮膚を冷やそう」とします。
同時に、副交感神経を刺激して、心臓の拍動を抑制します。

また、アドレナリンや糖質コルチコイドの分泌を減らして「血糖値の上昇を抑制」し、チロキシンの分泌も減らして「代謝を抑制」して、「発熱量を減らそうとする」ことになります。

<補足>
寒いときに「立毛筋が収縮して」、体毛の毛穴周辺が持ち上がることを「鳥肌」といいます。
普段は体毛は皮膚から斜めに出ている状態ですが、鳥肌になると「体毛が直立して、毛穴が強く閉じられる」状態になります。
<まとめ>
・恒温動物は体温を調節して、ほぼ一定に保っている
・「間脳の視床下部」に体温調節の中枢がある
・外界の温度変化によって、体温変化やその刺激を受け取ると、体温調節の仕組みがはたらく

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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