生物基礎:選択的にはたらくゲノム(だ腺染色体)

<ポイント>
・特定の細胞では、ゲノムの中の特定の遺伝子だけがはたらく
・巨大なだ腺染色体には横しまがあり、それは「遺伝子の位置に対応」している
・だ腺染色体のところどころにあるふくらみを「パフ」という
(1)選択的にはたらくゲノム
多細胞生物の体細胞は、すべて同じ遺伝子情報を持っています。
(同一個体の体細胞は、すべて同じゲノムをもっているということ)
しかし、それらの遺伝子がすべて同じようにはたらくわけではありません。

特定の細胞では、ゲノムの中の特定の遺伝子だけがはたらくように調節されているのです。
このようすを「選択的にはたらく」といいます。

(2)だ腺染色体のつくり
キイロショウジョウバエなどの幼虫のだ腺(だ液腺)の細胞には、巨大なだ腺染色体があります。
この染色体には、多数の「横しま」(模様)が見られます。

この横しまは、酢酸オルセイン溶液などでよく(赤く)染まることから、「遺伝子の位置に対応している」と考えられています。

また、だ腺染色体のところどころに、「パフ」と呼ばれる膨らみがあります。
パフでは、mRNAが盛んに合成されていて、「遺伝子がはたらいている部分」といえます。

このパフの位置は、(その個体の)発生段階によって異なります。
つまり、幼虫の成長段階により、ゲノムの中の「発現する遺伝子」が調節されているということになります。

<補足>
パフは一斉にできるのではなく、発生の段階によってできる位置が変わります。
また、パフができても、その部分で遺伝子がはたらかなくなると、元に戻ります。
<まとめ>
・特定の細胞では、ゲノムの中の特定の遺伝子だけがはたらく
・巨大なだ腺染色体には横しまがあり、それは「遺伝子の位置に対応」している
・だ腺染色体のところどころにあるふくらみを「パフ」という

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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