生物基礎:遺伝子とゲノム

<ポイント>
・体細胞がもつ1対の相同染色体のうち「片方に含まれるすべての遺伝情報」をゲノムという
・ゲノムは「生命を維持するのに必要な最小限の遺伝情報の1セット」ともいえる
・真核生物で、「遺伝子としてはたらく塩基対」はゲノムのごく一部である
(1)ゲノム
体細胞がもつ1対の相同染色体のうち「片方に含まれるすべての遺伝情報」をゲノムといいます。
(相同染色体とは、形や大きさが同じ2本で対になっている染色体のこと)

ゲノムは「生命を維持するのに必要な最小限の遺伝情報の1セット」とも言えます。
このことから「ゲノムは、その生物の生殖細胞がもつ遺伝情報に相当する」と考えられます。

(2)ゲノムプロジェクト
「ゲノムの塩基配列をすべて明らかにして、遺伝情報を解読する」というプロジェクトを、「ゲノムプロジェクト」といいます。
ヒトについてのゲノムプロジェクトは2003年に完了しており、現在はイネ・キイロショウジョウバエなど、さまざまな生物のゲノムの解読を進めています。

このゲノムプロジェクトの解読によって、
真核生物のゲノムにおいて、「遺伝子としてはたらく塩基対」はゲノムのごく一部だということが分かりました。
真核生物のゲノムのほとんどの部分は、遺伝情報を持っていないということです。

<補足>
ゲノムを構成する塩基の数を「ゲノムサイズ」といいます。
ヒトのゲノムサイズは約30億塩基対です。この中に遺伝子が約2万個含まれています。
ヒトの場合、遺伝子はゲノムの約25%を占めることになり、タンパク質の情報を含む領域は約1.5%となっています。
(25%−1.5%=23.5%が遺伝子発現情報ということ)
<まとめ>
・体細胞がもつ1対の相同染色体のうち「片方に含まれるすべての遺伝情報」をゲノムという
・ゲノムは「生命を維持するのに必要な最小限の遺伝情報の1セット」ともいえる
・真核生物で、「遺伝子としてはたらく塩基対」はゲノムのごく一部である

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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