【質問】化学(高校):ダニエル電池ではセロハンを使うことで長持ちするそうですが、それはなぜですか。

〔質問〕
ダニエル電池ではセロハンを使うことで長持ちするそうですが、それはなぜですか。
〔回答〕
まず、もし硫酸銅と硫酸亜鉛を仕切らず混ぜただけなら、結果的には Zn+Cu2+→ Zn2++Cu という変化しか起こらず、本来の目的である電池にはなってくれません(導線経由ではなく、直接的に電子の授受が行われるだけ)。

ということで両者を仕切る必要があるわけですが、一方で、完全に仕切ってしまうと、正極側(硫酸銅水溶液)では陽イオン(Cu2+)が析出によってどんどん無くなる一方、陰イオン(SO42-)はどんどんたまっていき、結果として「導線経由で電子がやってきても、それを受け取る人(陽イオン)が見つからない」という状況となります。
そのため、セロハンや素焼き板(イオンが通れるような小さい穴の開いている)を用いて仕切ることで適度に陰イオンを逃がしつつ、負極側から陽イオンを迎え入れている、という仕組みになっています。
 
 
なお、質問文の「長持ちする」についてですが、あくまでも「ボルタ電池とは違う溶液を使い、分極が起こらないようにしている」ことが直接的な要因になります。
で、具体的には硫酸銅と硫酸亜鉛を使ってみたらいい感じになった、ということですが、そのためには適度に仕切る必要性があるのでセロハンを使ってみた、という因果関係です。
(ポイントは「分極を起こさない」ことの方で、「セロハンを使う」はあくまでもそれに付随するサブ的な話)

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

 
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