物理基礎:変圧器

<ポイント>
・交流の電気は変圧器によって、電圧を変えることができる
・発電所で発電された電気は、変圧器によって高い電圧に変えて運ばれる
・変圧器は「巻き数が異なるコイルを共通の鉄心に巻いた」構造
(1)変圧器
交流の電気は変圧器によって、電圧を変えることができます。
これは交流の電気の場合だけで、「直流の電気は電圧を変えることができません」。
(また、変圧器をトランスと呼ぶことがあります)

この「電圧を変えられる」という性質を利用して、発電所で発電された電気は、変圧器によって高い電圧に変えて運ばれています。

(2)変圧器の構造
変圧器

変圧器は「巻き数が異なるコイルを共通の鉄心に巻いた」構造をしています。

一次コイルに交流電流が流れると、鉄心内部に磁場が生じます
この磁場は二次コイルも貫いており、(一次コイルに流れる)交流電流は時間とともに変化し、それに合わせて磁場も変化することになります。
「磁場が変化することで電磁誘導が起こり、二次コイルにも交流電流が流れる」という仕組みです。

(3)一次コイルと二次コイルの関係
「一次コイルと二次コイルの周波数は等しくなっています」が、交流電圧と巻き数は異なります。

一次コイルの交流電圧を V1e、二次コイルの交流電圧を V2eとし、
一次コイルと二次コイルの巻き数の比を N1 : N2 とするとき、

V1e : V2e = N1 : N2
という関係が成り立っています。

つまり、「交流電圧の比=巻き数の比」となっているということです。

<補足>
変圧器のように、「(同じ)鉄心に2つのコイルを巻いて、一方のコイルに流れる電流を変化させる」とき、磁場が変化し、もう一つのコイルにも誘導起電力が生じます。
このような現象を「相互誘導」といいます。
<まとめ>
・交流の電気は変圧器によって、電圧を変えることができる
・発電所で発電された電気は、変圧器によって高い電圧に変えて運ばれる
・変圧器は「巻き数が異なるコイルを共通の鉄心に巻いた」構造

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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