物理基礎:比熱

<ポイント>
・「物質の単位質量(1g, 1kg)だけを 1K 温度上昇させるのに必要な熱量」を比熱という
・熱容量 C と、比熱 c の関係は C=mc
・物体の温度をΔTだけ変化させるのに必要な熱量Qは Q = C・ΔT = mc・ΔT
(1)比熱
「物質の単位質量(1g, 1kg)だけを 1K 温度上昇させるのに必要な熱量」を比熱といいます。

それぞれの物体によって質量は異なりますが、その物体の「1g分」や「1kg分」あたりの温度上昇に必要な熱量が比熱です。
実際は100gの物体だけど、「そのうち 1g につき 〇[J/(g・k)]だけ熱量を加えると 1K だけ温度上昇するよ」という意味合いです。

比熱の単位は、[J/(g・k)]もしくは[J/(kg・k)]などを使います。
前者の場合は 1gあたりを表していて、後者は 1kgあたりを表しています。

(2)熱容量と比熱の関係
熱容量は「その物体全体を1Kだけ温度変化させるのに必要な熱量」で、
比熱は「その物体のうち1g(1kg)を、1Kだけ温度変化させるのに必要な熱量」です。

そのため、〔熱容量〕=〔質量〕×〔比熱〕という関係で表すことができます。
したがって、〔熱容量 C 〕=〔質量 m 〕×〔比熱 c〕となります。
C=mc

たとえば、「比熱が 0.435 J/(g・K)である物体 100g の熱容量 C 」は、
C = 100×0.435 =43.5 J/K となります。

(3)温度変化に必要な熱量
熱容量 C [J/K]の物体の温度をΔT[K]変化させるために必要な熱量 Q[J] は、
Q = C・ΔT
であり、
熱容量と比熱の関係「C=mc」も使うと、
Q = C・ΔT=mc・ΔT
と表すことができます。

<補足>
比熱 c の単位には、[J/(g・k)]もしくは[J/(kg・k)]が使われます。
そのため、Q = mc・ΔT の公式を使うときには、質量 m の単位を「比熱で使われている質量の単位に合わせて使う」必要があります。
注意しましょう。
<まとめ>
・「物質の単位質量(1g, 1kg)だけを 1K 温度上昇させるのに必要な熱量」を比熱という
・熱容量 C と、比熱 c の関係は C=mc
・物体の温度をΔTだけ変化させるのに必要な熱量Qは Q = C・ΔT = mc・ΔT

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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