物理基礎:慣性の法則

<ポイント>
・「物体がその運動状態を続けようとする」法則を慣性の法則という
・(外部から力を加えられないとき)静止している物体は静止し続けようとする
・(外部から力を加えられないとき)運動している物体は、そのままの速さで等速直線運動し続けようとする
「物体がその運動状態を続けようとする」法則を慣性の法則といいます。

これは、外部から物体に対して、「力を加えられていない」または「加えられている力がつり合っている」ときに成り立つものです。
(加えられている力がつり合っていれば、物体にとっては「運動を変える必要がない」状況)

外部から力が加えられていなければ、
・静止している物体は、そのまま静止し続けようとする
・運動している物体は、そのままの速さで等速直線運動し続けようとする
ということです。

具体例をあげるとすれば、電車にのっている状態を思い出してみてください。

走る電車の中にいる人は、どのような動きをしても、急にその場にとどまることはできません。
電車が走り続けているため、電車と共に動き続けるということです。

したがって、電車の外から見れば、人が動き続ける電車の中にいるとき、電車とともに進行方向に動き続けるので、ジャンプしても壁にぶつかることはありません。

また、電車が動き始めるときに進行方向と逆向きに体が傾くことや、電車がブレーキをかけたときに、進行方向に体が傾くことも慣性の法則で説明できます。

(1)電車が動き始めるとき
電車が動き始めるときは、人は地面に対して静止しています。
しかし、電車が動き始めると、無理やり一緒に動かされます。
このとき、慣性の法則より、前の運動状態を保とうとするので、
静止していた場所にとどまろうとして進行方向逆向きに体が傾くことになります。

(2)電車がブレーキをかけたとき(減速するとき)
電車がブレーキをかけたとき、人は電車の速度で一緒に運動しています。
それを電車が減速すると、体はブレーキをかける前と同じ速度で運動し続けようとするため、
体が進行方向に傾くことになります。

<補足>
慣性の法則は、「ニュートンの運動の第1法則」とも呼ばれます。
ただ、この法則をはじめからつくりあげたわけではなく、先にその法則を発見していたガリレイのものを土台にしてつくられたのです。
(こちらについては、試験で問われることはないと思いますので、参考程度にお考えください)
<まとめ>
・「物体がその運動状態を続けようとする」法則を慣性の法則という
・(外部から力を加えられないとき)静止している物体は静止し続けようとする
・(外部から力を加えられないとき)運動している物体は、そのままの速さで等速直線運動し続けようとする

 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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