【英文法】選択肢判別法:(8)不定詞の意味上の主語

大学入試で出題される英文法問題は単元がランダムで出題されるため、自分で問われている単元を見極める力が要求されます。
問われている単元を見極めるポイントは「問題文の空所の位置」「選択肢」です。ここでは「選択肢」の判別法を皆さんに身に付けてもらい、短時間で的確に英文法問題を解けるようになりましょう。
 
【不定詞の意味上の主語】
不定詞[ to do ]は動詞を使った表現なので、「誰が」「何が」という主語が必ずあるはずです。この不定詞の主語のことを[不定詞の意味上の主語]と呼んでいます。
 
不定詞の意味上の主語は以下の4つのパターンを覚えておきましょう。
 
文の主語
I was glad to get higher grades this year.
(今年成績が上がってうれしかった)
to get higher grades「成績が上がった」のは文の主語 I です。
 
S V O to do の目的語
He got his friends to do the work.
(彼はその仕事を友人にやらせた)
get O to do のようにS V O to do 型は、目的語の名詞が不定詞の意味上の主語になります。
to do the work「その仕事をする」のは his friends です。
 
人全般
It is necessary to take proper exercise every day.
(毎日適度な運動をすることが必要である)
あらゆる人に当てはまる内容であれば、不定詞の意味上の主語は書かれません。
to take proper exercise every day「毎日適度な運動をする」のは人全般です。
 
for A
It is natural for him to get angry.
(彼は怒って当然です)
不定詞の前にある for A が不定詞の意味上の主語になります。
to get angry「怒る」のは for him です。

 
大学入試の文法問題で不定詞の意味上の主語が狙われるのは④パターンがほとんどです。まずは④パターンのルールを覚えておきましょう。
 
これを踏まえて、次の選択肢を見てください。
(空欄補充問題の選択肢部分のみ抜粋。選択肢内だけでの文法判断の練習)

次の選択肢の違いを考えてみよう。
1. slowly enough for her child to keep
2. enough for her child slowly to keep
3. slowly for her child enough to keep
4. for her child enough slowly to keep

《解くpoint》
① 形容詞・副詞 enough to doの語順
副詞 slowly「ゆっくりと」の後ろに enough が続いている選択肢に絞ります。
2. enough for her child slowly to keep と 4. for her child enough slowly to keep は slowly の前に enough があるので、語順が間違っています。
 
enough to do の詳しい説明はコチラ
 
② 不定詞の意味上の主語の位置
不定詞の意味上の主語 for A はto doの直前に置きます。
slowly enough to keep に意味上の主語 for her child を加えると、slowly enough for her child to keep となります。
よって、1が正解選択肢となります。
 
(参考例文)
She walked slowly enough for her child to keep.
彼女は、(彼女の)子どもがついてこれるくらい十分ゆっくりと歩いた。
 

※ 理解を優先するために、あえて大雑把に書いてある場合があります

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