「ミスも実力のうち」とよく言われますが、
これは「ミスするという注意力のなさも含めて、それが自分の力」だという意味です。
よく、模試の結果で、「ここをミスらなければ9割だった」みたいなことを本気で言っている人がいますが、急に本番でミスをしなくなるわけがありません。本番でもします。
一方で、本当に点数を取れる人は、ミスを防ぐことまでをも普段の勉強で行っています。
(1)日頃から計算ミスは自分で見つける
まず、計算ミスはいくら注意しても起こりうるものです。
ですので、ミスを防ぐというのも、正確には「ミスをしても、自分で見つけて修正する」ことだと思ってください。
そのためにも、答え合わせをして間違えていれば、(過程自体に自信があるなら)そこからは「間違い探しゲーム」に移ってください。
よく「この答案のどこで計算ミスしていますか?」という質問を受けますが、これに関しては絶対に自分で発見しきった方がいいです。
また、普段の学習で重要なことは、自分がどこで間違えやすいかを把握することです。
それを知っていれば、同様の局面に遭遇したときに、意識を高めて問題に取り組むことができます。
(2)典型例:式が1行足りない
計算をする際は、「1式1過程」で書いていくことをお勧めしています。
例えば、展開と移項の処理が必要な場合は、面倒でも「展開で1行、移項で1行」使った方がいいです。
これを1度にしようとして、うまくいかず、計算ミスに至るということです。
計算ミスをしやすい人は、とにかく「1行多く書く」ということを意識するようにしてください。
(3)ミスに気付く方法を知っておく
テストの際に厄介なのが、試験中には答え合わせできませんから、ミスをしていること自体に自分で気づかないといけない、ということです。
そのためにも、「ミスに気付く方法」を知っておく必要があります。
具体的には(④, ⑤ は高校範囲)、
① 因数分解では、展開しなおす
② 図形が絡む問題では、ある程度きちんと図を書いて、求まった長さや角度で違和感がないか見る
③ 確率では、感覚的にそれぐらいか確認(例えば、得られた答えが 3/5 なら、「これは本当に60%の確率で起こることなのか」を想像してみる)
④ 数列では、具体例で検証する(n=1, 2 などで検証)
⑤ 積分では、逆に微分してみる
など、
総じて言えば、「ミスを発見するチェック機能」を普段から磨いておくことが大事です。